みなさんこんにちは、豊橋市にあるリノベーション専門会社 リノクラフト株式会社のHikariです。
リフォームやリノベーションを考える際、「間取り変更をしたい」と考える方は多いのではないでしょうか。しかし、木造住宅の場合、構造上重要な柱や筋交いは撤去出来ず、思い描いた間取り変更を諦めてしまうケースも少なくありません。けれども、柱や筋交いが取れないからといって、リノベーションでの間取り変更を断念する必要はありません。むしろ、それらを活かしたデザインにすることで、空間にアクセントが加わり、おしゃれなリフォーム・リノベーションを実現することができます。
■間取り変更の際に撤去できない構造体
リノベーションでは抜くことができない柱があります。それは、通し柱です。通し柱は土台から屋根の下まで繋がる長い柱で、建物の構造上大きな力がかかる部分に使用されます。建物内で最も重要な柱なので、絶対に撤去できません。また梁を支えている管柱も2階の荷重を支えているため、構造上撤去することは望ましくありません。一方で、間柱は壁を固定するための柱で、建物の構造に影響を及ぼさないため、撤去が可能です。

筋交いも基本的には撤去を避けるべき構造体です。筋交いとは、木造住宅において柱と柱の間に斜めに配置される部材のことです。強風や地震など、建物に横方向の力が加わった際に、その揺れに耐える役割を担っています。柱と同様に、建物全体を安定して支える大切な構造体です。鉄骨造などで、鋼製の部材を使用している場合は「ブレース」と呼ぶこともあります。
柱と柱の間に斜め材を1本だけ入れるのを「シングル」、斜め材を「×」の形に2本入れるのを「ダブル」と呼びます。シングル筋交いを建物全体にまんべんなく配置することで、耐力の偏りを抑え、全体的なバランスを確保しています。

こちらは、12月から着工している木造戸建てリノベーションの現場写真です。解体工事が終わり、不要な壁が撤去されたことで、柱や筋交いなどの構造体が現しの状態となっています。写真に写っている筋交いの両端にはボルトが使用されており、柱や梁としっかり固定されていることが分かります。ボルト固定は、釘留めのみの場合に比べて接合強度が高く、地震時にも外れにくいため、耐震性能の向上に繋がっています。
■安全性を確保するために行うこと
リノベーションでは間取り変更の都合により、やむを得ず管柱や筋交いの撤去が必要になるケースもあります。リノクラフトでは、目視による現地確認と壁量計算をもとに耐震設計を行い、必要な耐震補強工事を実施しています。筋交いは壁量計算を、管柱は荷重の確認をしっかりと行い、既存の建物よりも強度の高い建物となるよう計画しています。
リノベーション現場では図面だけでは分からない構造体の状態を実際に確認することが重要です。特に筋交いは、撤去できない場合が多く、残したまま活かす設計が求められています。こうした構造上の制約を、単なる制限と捉えるのではなく、住まいの個性としてデザインに取り入れることもできます。
■柱や筋交いをお部屋のアクセントにする事例紹介
ここからは、リノベーションでの活かし方を、事例とともにご紹介します。

もともとはダイニングキッチンと和室に分かれていた空間ですが、構造上撤去できない柱はそのまま露出させ、壁のみを撤去することで、広々としたLDKへと生まれ変わりました。柱が残っていても視線は奥まで抜けるため、空間に窮屈さは感じられません。さらに、腰壁や棚板を設けることで自然に空間を仕切ることができ、使い勝手とデザイン性の両立が実現しています。(事例:『récolte』)

筋交いは、木材の代わりに鋼製のブレースで補強することも可能です。木材の筋交いに比べて細く、空間の邪魔になりにくいため、すっきりとした印象に仕上げられます。さらに、素材感や色を活かしてデザインのアクセントとして取り入れることもでき、機能性とデザイン性を両立させた空間づくりが可能です。(事例:『Amber Drops』)
いかがでしたか。リノベーションでは、撤去出来ない柱や筋交いも、設計やデザインの工夫次第で空間の魅力に変えることができます。今回ご紹介した事例のように、構造体を「見せるデザイン」として活かすことで、安心・安全とデザイン性を両立した住まいづくりが可能です。これからリノベーションを検討される方も、ぜひ構造を活かしたプランを取り入れて、自由で快適な空間づくりを楽しんでみてください。リノベーション、デザインリフォームに関するご相談がございましたら、お気軽にご連絡ください。お問い合わせフォームまたは公式LINEからお待ちしております。



















