みなさん、こんにちは!愛知県豊橋市で性能向上を含めた戸建リノベーションを行っているリノクラフト株式会社の今泉です。今回のブログは気になる耐震リノベのお話。
実家や持ち家のリノベーションを検討されている方にとって、気になるポイントの上位に耐震性能があるかと思います。安心して暮らすために、、、あれこれ考えていると建替など新築にしたくなるかと思います。でも、しっかりと設計施工すれば耐震性能は十分な水準まで向上させられます。
最初にBeforeの1階図面をご覧ください。
こちらは解体後に現地で実際に存在していた筋交いの位置と仕様を確認の上で作成した1階平面の復元図。当時の建築確認では問題なかったのですが、現在のソフトウェアで計算すると僅かに壁量(建物の強度を司る要素)が足りていません。直ちに問題が起きるわけではないのですが、できれば現行の耐震基準に近い性能にしたいのが人情ですね。
こちらはリノベーションの間取り変更に合わせて耐力壁を増やした1階図面。元々、存在していた筋交いを活かしながら不足している壁量を追加することで、無理なく耐震性を向上させている。特にBeforeとAfterでの比較では剛芯(図面では中央部にある青い丸印)がより建物の重心(建物中央の赤い丸印)に寄っており、偏心距離が小さくなっています。これが建物に揺れが加わった時のバランスに影響するのです。
こちらも解体後に現地で実際に存在していた筋交いの位置と仕様を確認の上で作成した2階平面の復元図。壁という壁に満遍なく筋交いが設けられていましたが、惜しいところで壁量不足であった事、平成最初期の建物のため筋交いの金物固定がなされておらず、補強の必要性がありました。
そして最後に、こちらもリノベーション後の間取り変更に合わせた耐力壁を増やした2階平面図。間取りの変更を行っており、建物に加わる力が確実に地盤に伝わるよう、基礎コンクリートのある外周部分を中心に耐力壁を設け、偏心距離が小さくなるようバランス調整も行い、耐震性能の向上をさせました。
これらの工夫から耐震等級2相当の壁量を確保することができました。ちなみに、耐震等級2は耐震基準の1.25倍以上とされ、避難所などに指定される公共施設に近い強度を持つことにもなります。
これからの時代は安易な建替など新築の建物は環境負荷が大きく、何よりお財布にも優しくありません。工夫されたリノベーションは手の届く良質な暮らしにつながります。お住いのリノベーションや中古住宅を購入してのリノベーションをご検討の方、お気軽にリノクラフトまでお問い合わせください。